20年ぶりに再会した高校の同級生3人が、結婚式の帰りに居酒屋で会話をするというワンシチュエーションの物語ですが、居酒屋という空間にどのような魅力を感じているのでしょうか?
ひと言で言うなら「コンプラがない空間」ですね。何をしゃべっても、誰にも自分の発言を干渉されない空間という捉え方で居酒屋という設定を選んだところがあって、「この舞台上で繰り広げられる会話にはコンプラはありません」という空間です。3人の関係性が、20年会ってないので、その先の関係を考えることなく話すという状況であり、言いたいことを言える空間ということで居酒屋を選びました。あとは、SNSで発言する場と対照的な場という感覚――(居酒屋は)生身の人間と対話して、そこで誰にも発言を干渉されない空間であり、SNSという、発言したらいろいろ他人に干渉される空間と対比して捉えたというのはありますね。
ご自身の役柄に関して、共感する部分はありますか?
良くも悪くもSNSが普及して、そこに対する憂いみたいなものは、ずっと持っているんですね、僕は。令和になって、現代というのは便利なところもあるし、でもそれによって「どうなんだろうな、これ?」と同時に思ったりするけど、(自身が演じる)今井はそこにちゃんと葛藤していて、台本にあるセリフを読んでいても、自分が思っていること書いてあって、自分なのか? 今井なのか?って錯覚を起こすこともあります。
「一生懸命、生きてるよな…」という感じはすごくよくわかるし、いまの自分にはあまりないんですけど、(自身が演じる里美は)「何者かでなきゃいけないんじゃないか?」とか、「社会と自分」みたいなことをしっかりと捉えていて、(里美は)役者を目指していて、諦めた人だから「何者かになりたい」みたいな欲求がある人なんだなと感じていて、そこに関しては「それは思うよね?」と共感できるところですね
何でしょうね? わかんないなぁ……。でも、三浦さんの言葉を言っていると「こういうこと、思っていたのかも、俺」みたいなことはいっぱいあるし、何が本当で何が嘘かわかんないなということも、いま、いっぱいあるから、だからこそ、居酒屋で面と向かって言いたいことを言えて、本当に話ができる3人がいいなと思いながら、やっています。
キャストのお三方は、意外にも初共演となります。ここまでご一緒されての印象をお聞かせください。
森田さんとは、お互いお酒を飲まないという共通点もありますし、性格的な部分もあると思うんですけど、たくさん話さなくても勝手にわかり合えている感覚があるんです。それが今回、すごく嬉しいです。「この人、どういう人なんだろう?」と知りたい部分もあるんですけど、知らない方がいい感じだなという感じです。鈴木さんは役柄的に、最初はちょっとシャッターを下ろしているんですけど、(物語が進み)お酒が入ってくるとだんだん開いていって、そこで鈴木さんがバーッと言ってくれて、僕も遠慮なくバーッと言えるんです。それがすごく気持ちいいです。くすぐられます(笑)。
そうなんだ(笑)? お2人とも、ただそこにいるだけで醸している、生き物としての面白さを圧倒的に持っているなと思って見ています。その種類が微妙に違うんですけど、峯田さんは、存在してセリフを言っているだけで説得力がものすごくあるし、森田さんは場の求心力というか、引っ張っていってくれる力がものすごくあって、頼りになるお2人だなと思って稽古しているところです。
お2人とは会う前から楽しみにしていて、会ってからも楽しいです。余計なこと考えないで、いまをとにかく楽しむ――2人を信じて、自分も信じてもらって、最後までいきたいという気持ちでいます。
森田さんと峯田さんは、同世代ですが、もし同級生だったら、仲良くなれていたと思いますか?
いま、この歳で会えたというのが…。
そこですね(笑)。
あると思います。(10代だったら)違ったと思いますね。
40代の男女3人の会話劇ですが、みなさんにとっての40代とは?
1年が本当にあっという間で、自分にできることが何となくわかっていて、できないこともわかっていて「これでやっていくしかない」という諦めみたいなところもあるし、子どもの時は思ってもみなかった、奇跡的な楽しいこともあるし、そういう感じで過ごしていますね。
私は来年40になるんですけど、「やっと40になれるな」という気持ちです。ずっとどこかで40代への憧れがあって、周りの先輩たちも「40代、楽しいよ」と言う方が多かったから楽しみです!
衰えていくところは衰えていくので、生き残った部分を、どう大事にしていけるかなと考えますね。
最後に三浦さんから、作品を楽しみにされている方にメッセージをお願いします。
このタイミングでしか上演できない台本だと思います。内容的に再演もたぶんできないし、このタイミングじゃなきゃ、この感覚が味わえないという自負があります。演劇は、終わったらなくなっちゃうので、逃さずに来てもらいたいと心から思っています。